数年前に話題になったシックハウス症候群というものは、インテリアの重大な問題点と言えると思います。
シックハウス症候群は、壁紙の接着剤などから揮発する物質により住人の方が被害にあわれています。
壁紙以外にも合板を使ったインテリア家具やフローリング、シロアリ対策の為の薬剤などが原因とされています。
科学物質による室内空気の汚染というそうです。
被害にあわれた大半の方は一番自宅にいる事の多い主婦の方だったようです。新築住宅やリフォームに喜んでいた矢先、原因不明の体調不良となるわけです。主な症状としては頭痛・めまい・慢性的な疲労感・のどの痛み・湿疹などがあり、ひどくなると呼吸器疾患と診断されます。この疾患の恐ろしい点はなかなか原因が分かりづらいところと、化学物質過敏症というやっかいな疾患を背負ってしまうというところです。
化学物質過敏症とは、人間が合成した薬物だけでなく天然成分の物も原因に含まれます。代表としてあげれば花粉症などの各種アレルギーがいい例でしょう。
シックハウス症候群は現在ではよく耳にする言葉となりましたが、未だ解明されていない部分も多いそうです。そこで最近ではシックハウス対策が取られるようになりました。原因物質としてホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、ベンゼンなどといわれていますが、ホルムアルデヒドは発ガン性があるという指摘もあります。
このような原因となりえる成分を含まない素材でインテリアを造りあげたり、大がかりなリフォームなどをしなくてもこまめに空気の入れ替えをするなどの対策方法が至る所で見かけられるようになりました。
室内に観葉植物を置く事でホルムアルデヒド、ベンゼン、トリクロロエチレンを浄化する事ができるそうです。目安としては6畳分の広さの部屋に小さめの鉢を5個ぐらいです。アメリカではベイクアウトという方法で、塗料から出る科学物質をわざと揮発させる事があります。これは温度が高くなると揮発しやすいという性質を利用して、暖房器具などで室内の温度をあげます。ときどき換気をしながら3日ほどかけて、人工的に科学物質を追い出す事ができます。ただしこれは合板やフロ-リングの床など厚みのある素材には効果がないそうです。
せっかく発散させた科学物質が他の素材にくっついてしまい、今度はそこから揮発してくる事例もあるので注意が必要となります。
マイホームが原因で病気にならないように、できることから始めてみてはいかがでしょうか。